妄想性障害とは
妄想性障害とは、現実とは異なる強い思い込み(妄想)が長期間続き、日常生活に支障をきたす精神疾患です。妄想性障害の特徴として、妄想以外では目立った異常行動がなく、社会適応も比較的良好なことが挙げられます。そのため周囲からは「普通に生活している」ように見えることが多いです。
妄想性障害と統合失調症の
違い
妄想性障害では妄想が主体であり、幻覚は現れることはあっても症状の主体ではありません。統合失調症のように感覚が鈍くなったり意欲が大きく減退したりすることはありません。また、妄想に関連する行動や言動を除けば、感情や会話、行動は正常であるという特徴があります。
妄想性障害の症状
- 他人が自分を監視している、害しようとしていると感じる
- 身近な人や他者に対して強い疑念を抱き、その考えが繰り返される
- 誰も信じられず、常に不安や恐怖を感じている
- 自分が特別な存在だと強く信じて疑わない
- 自分が何かの病気にかかっているのではないかと感じ、何度も病院を受診する
妄想性障害の分類
被害型
最もよく見られるタイプで、嫌がらせや陰謀を企てられている、不当に被害を受けているという妄想をするタイプです。
誇大型
自分には卓越した才能がある、重大な発見をした、著名人と特別な関係にあるという妄想が見られるタイプです。
嫉妬型
配偶者や恋人の些細な変化などから浮気・不倫していると確信する妄想です。男性に多い傾向があり、嫉妬から暴言・暴力へ発展することもあります。
身体型
「自分は悪臭を放っている」「顔がとても醜い」など、自分の身体の特徴や感覚に関する妄想をするタイプです。
被愛型
ある実在する人物が自分に恋愛感情を持っているという妄想をするタイプです。妄想の対象は有名人など、憧れの対象となることが多いです。
妄想性障害の原因
妄想性障害の原因は完全には解明されていませんが、複数の要因が関係していると考えられています。
遺伝要因
近親者に妄想性障害やその他の精神疾患を持つ方がいる場合、発症に影響する可能性が報告されています。
生物学的要因
脳内の神経伝達物質、特にドーパミンの異常が発症に関連している可能性があります。
環境的要因
単身者や社会的に孤立している方に発症が多いことから、孤独感や社会的孤立が発症リスクを高める要因と考えられています。
心理的要因
妄想性障害を持つ方は、疑念や不信感が強い傾向があります。幼少期のトラウマや虐待経験もリスクファクターとされることがあります。
妄想性障害の診断
妄想性障害は、DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル)に基づき、以下の基準で診断されます。
- 一つまたはそれ以上の妄想が1ヶ月以上続いている
- 統合失調症の基準(幻覚・まとまりのない発語や行動など)を満たさない
- 妄想や妄想に波及する影響を除けば、機能障害はなく、行動も目立って奇異・奇妙ではない
妄想性障害の治し方・治療
妄想性障害に確立された有効な治療方法はなく、一般的には統合失調症に準じた治療が行われます。
心理療法
認知行動療法を通じて、自分の思考パターンを認識し、現実とのギャップを修正することを目指します。ストレス管理やリラクゼーション法も症状軽減に役立ちます。
薬物療法
抗精神病薬を用いて、脳内の神経伝達物質のバランスを調整し、妄想やその他の症状を軽減します。
妄想性障害の人への接し方
妄想性障害の方と接する際は、以下の点を意識しましょう。
- 話に否定も肯定もしないで、不安な気持ちに共感の姿勢を示す
- 専門機関を受診する
- 家族も頑張り過ぎない
お困りごとがある際は、まずは一度、兵庫県西宮市のはやし心療所へご相談ください。