TOPへ

大人の発達障害外来

大人の発達障害外来について

兵庫県西宮市にあるはやし心療所の大人の発達障害外来では、ADHD(注意欠陥多動性障害)やASD(自閉スペクトラム症)などの発達障害が疑われる成人の方を対象に、専門的な診察・検査・サポートを行っています。
発達障害の特性によって職場での不適応や人間関係のトラブルを経験し、二次的にうつ状態や不安症状を抱えてしまう方も少なくありません。まずはご自身の特性を正しく理解することが、生きづらさを軽減する第一歩です。お一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。

大人の発達障害とは

大人の発達障害とは以前は発達障害への理解が十分ではなく、「少し個性的な子」として見過ごされてきた方も多くいます。また、周囲のサポートに恵まれ、大きな問題なく学生時代を過ごしてきた方もいます。
しかし、就職や結婚を機に、複数のタスクを同時にこなす、期限内に優先順位をつけて仕事を進める、相手の立場を考慮してコミュニケーションを取るなど、発達障害の特性を持つ方が苦手とする場面が増えていきます。その結果、仕事が続かずに転職を繰り返したり、パートナーとの関係がうまくいかなくなったりするなど、生きづらさを感じて受診される方が近年増えています。

発達障害の特徴

発達障害の特徴発達障害には、大きく分けてADHD(注意欠如・多動症)とASD(自閉スペクトラム症)があり、それぞれ特徴的な傾向が見られます。両方の特性を併せ持つ方もいます。

不注意(注意欠陥)

  • 話を最後まで聞けない
  • 忘れ物・失くし物が多い
  • ケアレスミスが多く、確認作業が苦手
  • 一つのことに集中できない
  • 整理整頓が苦手
  • 興味のないことが長続きしない
  • 物事を順序立てて進めるのが難しい
  • 時間や締め切りを守れない
  • 予定や約束を忘れてしまう

多動性・衝動性

  • じっと座っていられない、手足を動かし続ける
  • 静かにしているべき場面でしゃべりすぎてしまう
  • 必要がなくても動き回ってしまう
  • 相手の話をさえぎって話し始めてしまう
  • 順番を待つことが難しい

こだわりの強さ
・興味の偏り

  • 特定の物事に強い興味を持ち、過度に集中する
  • 予定や習慣が変わると不安になる、混乱する
  • 自分のルールややり方へのこだわりが強く、融通がきかない

対人関係・社会性の
築きにくさ

  • 相手の気持ちや表情を読み取るのが苦手
  • 場の空気を読むことが難しい、冗談や皮肉が通じにくい
  • 会話のキャッチボールが苦手で、一方的に話してしまう

感覚過敏または鈍感

  • 小さな音や光がとても気になる
  • 特定の匂いに敏感で気分が悪くなる
  • 痛みに鈍く、ケガに気づかないことがある

二次障害

発達障害の特性を持つ方は、日常生活や仕事において困難を感じやすく、周囲に理解されないことでストレスを抱え続けることがあります。このストレスが長期間続くと、二次的に気分の落ち込み、憂うつな気持ちが続く、意欲がわかない、何をするにも億劫に感じるなどの症状が現れることがあります。

大人の発達障害の診断

問診

現在の困りごとや、日常生活・仕事の中で感じている症状を丁寧にお聞きします。

心理検査

当院には臨床心理師が在籍しており、院内で検査を受けていただけます。ADHDやASDの傾向を評価するための質問紙や、知能検査(WAIS-Ⅳなど)を用いて、特性の傾向や得意・苦手な領域を把握します。

総合評価

問診の内容、心理検査の結果、過去の生活歴や学校・職場での様子などを総合的に判断して診断を行います。

注意欠陥多動性障害の診断

  • 「不注意」や「多動性・衝動性」の症状が、同年齢の方と比べてより頻繁に、より強く認められること
  • 症状の一部が12歳以前から認められていたこと
  • 家庭、学校、職場など2つ以上の場面で支障が出ていること

自閉症スペクトラム障害の
診断

  • 社会的コミュニケーションや対人関係において持続的な困難があること
  • こだわりの強さ、興味の偏り、反復的な行動パターン、感覚の過敏さまたは鈍感さなどが見られること
  • これらの症状が発達早期から存在していること

発達障害の治療

注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療

ADHDの治療では、薬物療法と心理社会的支援を組み合わせて行います。

カウンセリング・
認知行動療法

忘れ物対策やスケジュール管理など、「困りごとへの具体的な対処法」を一緒に考えていきます。認知行動療法によって、考え方のクセに気づき、ストレスへの対処スキルを身につけることもできます。

環境調整・生活支援

生活習慣の見直しや、ご家族・職場との連携による環境調整を行います。

薬物療法

必要に応じて、ADHDの症状を緩和するお薬を処方します。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の治療

ASDは脳の特性のひとつであり、「治療」で特性そのものをなくすことはできません。しかし、特性を理解し、適切な支援や環境の工夫によって困りごとを軽減し、自分らしく生活することは十分に可能です。

心理社会的支援

ASDの特性に合ったコミュニケーション方法や、日常生活での工夫を一緒に考えます。

生活・就労サポート

生活習慣の見直しや、ご家族・職場との連携による環境調整を行います。作業環境を静かにする、指示を明確にするなど、特性に配慮した工夫が有効です。

薬物療法

ASDそのものを改善するお薬はありませんが、強い不安やうつ状態、感覚過敏による苦痛などがある場合は、症状に応じたお薬(抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬など)を併用することがあります。